自殺の再発防止について(一般質問より)

一昨年、県立高校に通う女子生徒が教員との関係に悩み、何度もSOSを発信していたにも関わらず、適切な対応がされなかったために自ら命を絶った事案について、県の教育委員会は第三者委員会による調査結果を公表しました。

調査結果によると、生徒は、いじめアンケートや授業アンケート、作文など、さまざまな機会を通して訴えていましたが、これらの声は見過ごされ、精神的に追い詰められていた中で、進路に関するネガティブな指導があったとされています。

そのうえで、今回の事態は単なる過失ではなく、教員であれば当たり前に行うべき指導を、いくつもの場面で不作為または不適切な指導に終始した結果だと指摘しています。

当該事案で実施されたアンケートは、担任や担当教員止まりとなっており、学校組織として共有がされていませんでした。いじめやハラスメント、学校生活といった、教員や学校が相談の対象となりうるアンケートを実施する場合には、担任や担当教員を介さずに、WEBアンケートなどを活用して自動集約し、結果については学校全体で把握するとともに、県教育委員会とも共有できるようにするべきではないでしょうか。

また、自殺を図った前日、生徒は学校を欠席するために自ら連絡を入れていますが、生徒からの欠席連絡の場合は、必ず保護者に連絡を入れるという基本的なルールが守られていませんでした。生徒は学校を欠席したまま、自宅には戻ってこなかったとのことで、仮に保護者が欠席の連絡を知らされていれば、何らかの対応ができた可能性も指摘されています。

このような事態を二度と起こさないためにも、教育は子どもの幸福のためにあるとの視点に立ち、生徒一人ひとりに寄り添った適切な指導が行えるよう、教員の意識改革と研鑽が必要であることはもとより、一方で人的ミスやエラーについては、システムによってカバーすることも重要です。そこで伺います。

学校でのアンケートや欠席連絡を確実に把握し、情報を共有するため、ICTの活用が有効と考えるがどうか? 

県教育委員会では、一昨年の事案発生後、直ちに、県立学校に対し、生徒が発したSOSを組織として共有し対応すること、生徒の欠席について確認を徹底することなどを指示しました。

しかしながら、重要な情報の見逃しなど人的なミスを防止するためには、これらの徹底に加え、ICTの活用が重要だと考えており、まずは、徐々に導入が進んでいるWEB上のアンケートやICTを活用した欠席連絡を、全ての県立学校で実施するよう取り組んでまいります。

さらに、生徒の小さな異変等についても組織全体に警告を発するなど、ICTを活用した優れたシステムがあることから、導入事例等を研究しているところであり、生徒のSOSを確実に捉えることができるよう、取組を進めてまいります。(教育長)



先月、厚生労働省は、2024年に自殺した小中高生の数が過去最多となったことを公表しました。

県教育委員会では、児童や生徒が気軽に悩みを相談できるよう、LINEアプリを使ったSNS相談事業を行っています。そのSNS相談@ちばの周知については、入学時や長期休みの前に行われていると思いますが、相談先が常に目につき、いざというときに相談できるよう、教室や校内に貼っておくなどの対応をお願いしました。 


【参考資料】

自殺の統計(厚生労働省)
SNS相談@ちば(千葉県)


鈴木かずひろ Official Website

千葉県議会議員「鈴木和宏」の公式ホームページです。

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