南奈良総合医療センター視察

視察二日目は、過疎化・高齢化が進む奈良県南和地域で、公立病院の統合・再編事業の先進的な取り組みを行た南奈良総合医療センターにお話を伺ってまいりました。

紀伊半島の中央部に位置する奈良県では、地域に住む人口に基づき、救急医療を含む一般的な入院治療を行う二次医療圏を、奈良、東和、中和、西和、南和の五つの保健医療圏に分けています。

その中でも、県土の64%という広い圏域を持ちながらも、奈良県の人口の5.1%しか居住しない南和保険医療圏の人口推移は、これまでの間、10年ごとに約15%ずつ減少しており、さらに高齢化率は41.3%(全国平均28.8%)、圏域内の約半数の市町村は老年人口割合が50%を超えるようになりました。

過疎化に伴い、入院患者数や外来患者数も減少するだけでなく、医師や看護師の数も右肩下がりとなり、病院経営の効率化は喫緊の課題でした。

そのような中、南和地域にある県立病院、町立病院、国保病院の三つの公立病院において、公立病院の再編統合・ネットワーク化、経営形態の見直しを行うため、南和広域医療企業団を発足。

「南和の医療は南和で守る」との基本理念を掲げ、南和地域にあった三つの救急病院を一つの救急病院(急性期)と二つの地域医療センター(療養期)に役割分担を行い、体制を再構築されました。

今回伺った南奈良総合医療センターは、急性期医療機関として、重い病気や大けがなどの救急患者の受け入れを行い、短期集中で手厚い治療を行います。HCU(高度治療室)8床、一般病床188床、回復期リハビリテーション病床36床を整備し、圏域約7万人の救急医療を担います。

また、地域の救急を断らない病院をめざして救急医療を強化。屋上にはヘリポートを設置し、ドクターヘリによる救急搬送を受け入れています。

公立3病院間では、患者の電子カルテの情報を共有し、急性期から回復期、療養期へとシームレスな医療提供体制を実現しています。

また、各市町村に設置されている公立診療所においても、患者のカルテ情報を閲覧できるようになっており、カルテ情報を参照して治療を行えるほか、テレビ会議システムを併用して診療所の医師を支援するなど、へき地医療拠点病院として活躍しています。

さらに、若手医師の教育機関として、研修医を積極的に受け入れており、統合再編後は常勤医師数も年々増加しており、活気に満ちあふれているとのことでした。

経営主体が違う3病院が、広域医療事業団として統合されるにあたり、方向性や考え方の違いはあったようですが、いざ患者を前にしたら、医者は団結できる旨の言葉が印象的でした。


【参考資料】

南奈良総合医療センター

千葉県保健医療計画(概要版)


鈴木かずひろ Official Website

千葉県議会議員「鈴木和宏」の公式ホームページです。

0コメント

  • 1000 / 1000