モバイルファーマシーについて(代表質問より)
モバイルファーマシーとは、調剤機能を搭載した 機動力のある「災害対策医療品 供給車両」のことです。
東日本大震災が発災した際に、薬剤師や医薬品は、全国からの支援で何とか確保できたものの、調剤設備が確保できず、十分な活動ができなかったことを教訓に、宮城県薬剤師会が開発し、平成24年に全国で初めて導入されました。キャンピングカーをベースに改造して、調剤棚や分包機などの調剤設備に加え、発電機や給水タンクを搭載し、電力や給水が途絶えた被災地でも、自立的に調剤作業や医薬品交付などができる機能が備わっています。
現在、全国で20台が導入されており、県内では八千代市薬剤師会が導入し、運用しています。災害発生後の被災地において、いち早く医療救護活動の支援を行うことができ、熊本地震や西日本豪雨の災害支援でも活躍しました。そこでは、医療救護所等の医師が発行する処方箋に24時間応需し、被災者に対して薬を供給。災害急性期から慢性期にかけて、避難所や巡回診療等において、医薬品や医療材料の供給を支援するだけでなく、被災地で活動を行う薬剤師の情報収集等の拠点としても重要な役割を果たすことができ、有用性が実証されています。
本県においても、必要に応じてモバイルファーマシーが有効活用されるよう、関係機関を含めて、検討を進めていくことが重要です。
また、近い将来、首都直下型や相模トラフ沿いの海溝型地震のような大規模災害の発生が予想されています。地震のみならず大規模な災害が多発化している現状から、県としてもモバイルファーマシーの導入や運用は必須であると考え、県に質問しました。
モバイルファーマシーの有効活用に向けて、関係機関とどのように連携しているのか?
現在、千葉県内のモバイルファーマシーは、八千代市薬剤師会が所有する1台ですが、災害時には千葉県薬剤師会に貸与して、県内及び全国で活用することも可能となっております。
また、そのモバイルファーマシーで実際に調剤に当たる薬剤師については、災害協定に基づき、県が千葉県薬剤師会に対して派遣を要請し、被災地で活動できるようになっているところです。
本県においても、モバイルファーマシーの導入・運用を早期に取り組むべきと思うがどうか?
県内のモバイルファーマシーは、これまで災害時における活動実績がないため効果の検証ができませんが、他県における導入事例や運用のあり方について研究してまいります。
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今後、予想される災害に備えるためにも、県としての導入について、前向きに検討いただくよう要望しました。
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