仙台市役所視察
視察最終日は、宮城県へと移動し、実際にオンライン診療サービスを行っている仙台市を視察しました。
高齢化の進展や医師の働き方改革などの動きの中、持続可能な医療提供体制の構築が喫緊の課題となっています。そのような中、仙台市では、高齢化や医師不足等、医療に係る地域課題を解決するため、令和2年度に、仙台市医師会、仙台市薬剤師会、仙台市が協同し、オンライン診療・オンライン服薬指導実証実験を開始しました。
情報通信機器を使いながら遠隔で医師が診療を行い、処方箋を送付、薬剤師が遠隔で服薬指導をした後、薬が配送されるしくみです。
オンライン診療を推進することにより、移動の負担や時間の制限をなくすことができるなど、受診する側と診療する側の双方にメリットがあり、慢性疾患の患者には大変に有効であることがわかりました。
令和4年度には、医療・通信機器を搭載した軽自動車ベースの診療カーを導入、車両に看護師等が乗車し、対象エリアへ訪問する「診療カーによるオンライン診療実証実験」がスタート。
実証実験の結果を踏まえ、画像解像度の改善や医療機器の開発、車両の大型化を行い、令和5年からオンライン診療サービスの提供へと至ります。
診療カーには、問診を行う際に必要な縦型4Kディスプレイと実空間と視線を一致させる要配置されたカメラを搭載し、Zoomを使用して患者と医師とをつなぎます。
さらに、血圧計やパルスオキシメータ、音波通信体温計をはじめ、リモート用に開発された聴診器、携帯型心電計などを搭載し、同乗した看護師が計測して医師に伝えます。
昨年度は、協力医療機関3カ所の患者4名を対象に、オンライン診療が実施されました。
オンライン診療では、対面診療と比べて診療報酬はどうなるのか、また実施可能な場所や診療内容など、制度上、乗り越えていかなければならない課題もあるようです。
今後の構想としては、ウェアラブルカメラやポータブルディスプレイなどを活用し、診療カーにこだわらないオンライン診療も検討されています。
さらには、宮城大学と連携し、遠隔看護の提供を見据えたテレナースの養成や、看護DXのためのリカレント教育にも力を入れておられました。
人口減少地域を抱える本県において、非常に参考になる取り組みを視察させていただきました。
【参考資料】
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