社会人の学び直しについて(代表質問より)
わが国が直面する大きな課題として、加速する少子高齢化と人口減少が挙げられます。国の経済成長は、人口と生産性で決まりますが、人口が減っていく以上、生産性を上げていかなければ、経済が縮小し 財政にも影響を与えます。
現在、生産年齢人口が激減することによる人材難を解消するため、定年退職の年齢が引き上げられていますが、一方で、生産性を向上して、賃金を上げていくことが求められます。
生産性を向上させるためには、技術革新が欠かせないことから、国はデジタル技術で既存の業務を変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
一方、従来の仕事スタイルに固執することなく、変化する職場環境に順応するには、知識やスキルを学び直す リカレント教育をはじめ、職業能力を再開発するリスキリングなどの学びの場が必要です。
また、コロナ禍に伴い、急激な社会変革が進む中、オンラインでの業務が拡大し、学齢期を過ぎた方もデジタル機器への対応など、学び直す必要が生じています。
デジタル機器の進化は日進月歩で進み、常に学び続ける必要性は大いに高まっていることから、令和3年2月議会において、デジタル人材の育成を行うべきであると訴えさせていただきましたが、その後の取り組み状況が気になるところです。そこで、デジタル人材育成の取り組み状況について確認しました。
働く上で必要な学び直しへの関心が高まっている中、デジタル分野の人材育成のため、どのように職業訓練に取り組んでいるのか?
近年の急速なデジタル化の進展により、労働者に求められる能力は変化しており、ITを始めとした、仕事に必要なスキルの学び直しが重要となっています。
県では、高等技術専門校において、主に中小企業の在職者を対象にプログラミングの基礎やホームページの作成方法などを学ぶセミナーを開催し、企業内人材の育成を支援しています。また、離職者向けの訓練では、昨年度にIT資格の取得等を目指すデジタル人材育成コースを新設したところですが、今年度は、定員や取得できる資格を拡充し、デジタル分野への就労促進を図っているところです。
来年度も、こうした訓練をさらに拡充するなど、社会経済情勢の動向や、企業ニーズを的確に把握しながら、デジタル社会を担う人材の育成・確保に取り組んでまいります。
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将来的な再就職に向け、職業訓練や学び直しの場に通いたくても、子どもの預け先がないひとり親家庭の方や、介護が必要な家族がいて 自宅を離れられない方たちに対して、学ぶ機会を提供することは重要です。
行政手続きにおいても、オンラインの活用による業務の効率化・迅速化が求められる中、幅広い世代にオンラインの活用が進められるよう、取り組む必要があります。
今後、人材育成のための研修等をオンラインで実施することは、極めて有意義と考えることから、通学が困難な方に対する取り組みについて質問しました。
介護や育児などで、一時的に通学が困難な方に対し、どのように職業訓練に取り組んでいるのか?
生産年齢人口が減少する中、外出が困難な状況にある方などにも、学び直しの機会を提供し、就労に結びつけていくことが重要です。
このため、県では、育児中の方が受講しやすくなるよう、離職者向けの訓練のうち、パソコンの基礎等を学ぶコースや介護資格を目指すコースにおいて、託児サービスを提供しています。また、介護等で外出が困難な場合にも対応できるよう、自宅にいながらオンラインで学べるeラーニングコースを令和3年度に新設し、今年度はファイナンシャルプランナーの資格取得を目指す訓練を実施しているところです。
今後とも、働くことを希望するあらゆる人が、必要な能力を高め、その能力を存分に発揮できる全員参加型社会の実現に向けて、学び直しの環境整備をはじめとした就労支援に取り組んでまいります。
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社会人の学び直しについて、職業訓練としての様々な取り組みが前進していることが分かりました。 一方、学術的に高度な内容については、県独自で広範囲にわたるコンテンツを開発することは困難かと思います。そのため、例えば千葉県に拠点をおく、放送大学を活用することで、解消できると思われます。まずは、放送大学の存在や活用方法などを、周知いただくよう要望しました。
【参考資料】
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