ナラ枯れについて(常任委員会質問より)
ナラ枯れとは、ナラ類をはじめシイやカシ類の樹木を枯らす病原菌である「ナラ菌」と、この病原菌を媒介するカシノナガキクイムシによる樹木の伝染病です。
平成29年、鴨川市において、本県で初めてナラ枯れの発生が確認されましたが、近年では県南部地域だけでなく、千葉市や船橋市にも被害が広がっているようです。
昨年、鴨川市の被害状況を見に行ってまいりましたが、ナラ枯れが拡大することで、里山等の景観が劣化するだけでなく、被害木は枯れてから数年で倒木しやすくなるため、隣接する住宅や道路に倒れたり、人に当たる危険が高まります。
また、国道のトンネル出口の山に集中してナラ枯れが発生している箇所もありましたが、集中豪雨の増加に伴い、土砂流出防備機能の低下も懸念されます。
県南部地域で発生が見られるマテバシイへの被害についてですが、海岸付近の急傾斜の山に多く見られ入山が困難であり、有効な対策がなかなか進まないとも伺いました。
県では、令和元年に「千葉県ナラ枯れ被害対策協議会」を設置し、被害に対する早期対応を図るとしており、その取り組みが期待されることから、ナラ枯れに対する県の取り組みについて伺いました。
ナラ枯れの被害状況はどうか?
本年1月末現在においては、県内29市町で被害が発生しているという報告があります。ちなみに、1年前については10市町ということでしたので、被害については少し拡大している状況です。
被害を拡大させないため、今後どのような取り組みを行うのか?
県では、関係機関と連携しながら、被害状況の収集、把握、被害木の継続的なモニタリングを実施しているほか、被害のあった県民の森において被害木の薫蒸や伐倒、搬出等の防除対策を進めているところです。今後、県民の森における防除対策の取組を市町村に先行事例として示しながら、市町村による取組を促すとともに、市町村、国、研究機関等で構成される協議会を通じて、引き続き情報共有を図っていきたいと思っております。
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先日も、鋸南町の方から、新たにナラ枯れのご相談をいただきました。何か対策なり、補助金のようなものがないかというものでした。自治体によっては、ナラ枯れの予防や駆除に関して助成を行ったり、被害木の処理に補助金を出しているところもあるようですので、県としても検討いただきますよう要望いたします。
【参考資料】
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