妊孕性温存療法について(代表質問より)
将来、出産を希望するがん患者が、治療によって妊娠の可能性を失わないように、生殖機能を温存することを妊孕性(にんようせい)の温存といいます。
生殖補助医療技術の進歩により、精子や卵子、受精卵や胚の凍結保存などが広く普及していることから、こうしたがん患者の生殖医療に取り組む医療機関、そして患者やその家族など関係者での関心の高まりとともに、治療実績も増加しています。
がん患者の身体的・精神的苦痛を軽減し、希望をもってがんと闘うためには、がん患者、がん治療医、生殖医療医を結びつけ、将来、子どもをもつことを希望するがん患者に対して、妊孕性に関する情報や、その治療施設についての情報など、適切な情報提供が不可欠です。このことから、それを可能とするネットワークを構築する動きが全国各地で進められています。
一方、妊孕性を温存するための生殖医療は、現在保険適用となっておらず、全額自己負担となるため、子どもをもつことを希望しているがん患者は、がん治療に伴う経済的負担だけでなく、生殖医療を受けるために大きな経済的負担を強いられる状況になっています。そうした対象者は、年間で7,000人と推計されており、このような状況にあるがん患者に対して、近年、公費による独自の助成制度に取り組む自治体が、21府県と4市へと急速に拡大しています。
とくに、AYA世代(Adolescent&Young Adult:思春期・若年成人の頭文字をとったもので、15歳から39歳までの世代)は、年間約2万人が がん にり患しており、25歳から29歳のがん患者の悩みのトップが、不妊治療や生殖機能に関する問題となっています。子どもをもつことを希望する場合の選択肢を増やし、妊娠、出産へのモチベーションをなくさないことが大切です。
そのためにも、わが党ではこれまで、本会議や常任委員会の場で、繰り返し県内の医療機関数や治療実績、相談体制などの実情を確認しながら、千葉県としてもその支援につながる環境整備を進めるために、がん医療と生殖医療のネットワークの早期構築を要望し、その進捗を後押ししながら国にも働きかけてきました。
国においては、将来子どもをもつことの希望を繋ぐ取り組みの全国展開をはかる目的で、来年度に「小児・AYA世代のがん患者等に対する妊孕性温存療法研究促進事業」に取り組むと聞いておりますが、本県での取り組みを加速し、広げていくためにも、同制度を積極的に活用すべきと考え、県の見解を伺いました。
千葉県として、小児・AYA世代のがん患者等に対する「妊孕性温存療法研究促進事業」に参画すべきと考えるがどうか?
妊孕性温存療法とは、若いがん患者が、がん治療後においても妊娠や出産の可能性を残せるよう、がん治療前に、受精卵や卵子、精子等を採取・凍結保存することです。
本事業は、妊孕性温存療法に係る費用負担の軽減を図るとともに、臨床情報等を収集し、研究を促進するための事業であり、令和3年度から全国で開始される予定です。
本事業の実施に向けて、現在、対象者の範囲や対象とする治療内容などについて、国の有識者検討会で議論されているところであり、その動向を注視しながら、県としても、本事業への対応について検討してまいりたいと考えています。
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