【雇用】離職者への再就職・雇用支援について(代表質問より)
雇用シェアについて
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年一年間における全国での休廃業・解散した企業は、前年比14.6%増の4万9,698件となりました。また、休廃業・解散した企業において、判明している分の従業員は、前年比26.4%増の12万6,550人を数え、すべての従業員が失業したわけではないものの、多くの人が勤務先の変更や離職を余儀なくされました。
そのなかでも、最も影響を受けた業種として、生活娯楽関連サービスがあげられており、飲食や観光関連業種をはじめ、プロスポーツ、フィットネスクラブなどが大きな打撃を受けました。
一方、感染拡大の影響で苦境に立たされる業種もあれば、逆にニーズが高まる業種もあり、二極化が進んでいます。そのアンバランスさを解消するためにも、人手過剰な企業と人手不足の企業をつなぎ、一時的に従業員を出向させる雇用シェアの取り組みを、力強く推進していかなければなりません。そこで、雇用シェアの取り組みについて質問しました。
雇用シェアが求められているが、県の取り組み状況はどうか?
感染症の影響が続く中、一時的に事業活動が縮小している企業の従業員を、人手不足の企業へ在籍型で出向させる「雇用シェア」の活用は、県内企業の雇用維持に向けて有効と認識しております。
そこで県では、国や関係機関と連携して、雇用シェアに関心のある企業の掘り起こしとマッチングに向けた個別支援を行うほか、人材不足の企業情報を関東経済産業局の人材マッチングサイトに提供し、広域的な情報発信を行っています。
さらに、本年1月には、在籍型出向に係る企業への助成金の概要や、具体的な手続きに関するWEB説明会を開催し、制度の活用に向け、企業の理解促進を図ったところです。
今後とも、国や経済団体等、関係機関でこれまで以上に連携し、雇用シェアに向けた機運の醸成を図るなど、県内企業の雇用維持に向け、取り組んでまいります。
雇用シフトについて
さらに、以前より人手不足に悩んでいる建設業界や運送業界、介護業界については、引き続き人手不足問題を抱えています。
福井県では、「人手不足業就職チャレンジ応援事業」として、新型コロナによる雇い止めなどで新たな就業先を探している人を対象に、人手不足の業種へ正社員として就職した場合、奨励金を支給しています。就業意欲を促進させるとともに、求職者は奨励金を活用して、必要な資格を取得するなどのスキルアップをはかり、人手不足が懸念される業界の戦力として定着させる目的もあります。
雇用の継続が厳しい業種から、人手不足の業種へと雇用をシフトしていくことで、雇用を安定させ、失業率の悪化を抑えることにつながります。人手不足が懸念される業種への人材の流れを後押しするためにも、異業種へ向かう求職者に対して、職業訓練の充実や支援金の創設、または積極的に雇用を進めた企業への補助金なども必要です。
そこで、雇用のシフトを促すための県の取り組みについて質問しました。
人手不足業種への人材の流れを後押しするため、職業訓練等、県はどのような取り組みを行っているのか?
介護や建設など人手不足業種の人材を確保するためには、求職者の職業選択の幅を広げ、 求人ニーズと求職ニーズのミスマッチを解消するとともに、これらの業種で働く上で必要な知識や資格の取得を支援する必要があります。
そこで、県では就労支援施設において、 キャリアコンサルティングや適職診断等を通じて、求職者の関心が浅かった業界にも理解を深める支援を行っています。
また、離職者の再就職支援においても、介護や建設などの分野における職業訓練の充実を図り、人手不足業種で働く人材の育成に努めています。
今後とも、こうした取組により人手不足業種における人材確保に努めてまいります。
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コロナ禍で雇用ニーズの変化が加速しています。産業構造の変化に柔軟に対応し、今後需要が増えると見込まれるデジタル分野などへの人材の流動化も促さなければなりません。
また、テレワークなどの働き方や、デジタル化の進展といった社会の急激な変化に対応するためにも、業界団体や企業のニーズに応じて、職業訓練の内容を柔軟に変えていく必要もあります。
千葉県立高等技術専門校の訓練科等では、従来の産業に対して求められる人材の育成を中心に設置されていますが、今後来るべきソサエティー5.0を見据え、デジタル人材の育成を行っていく視点も必要ではないでしょうか。
東京都や宮崎県では、今後成長が見込まれるIT分野で働くために、必要な知識とスキルを習得できる職業訓練と、再就職支援を一体に行う「IT人材育成支援事業」を行っています。
本県においても、デジタル化への流れに乗り遅れないために、IT人材の育成に取り組むよう要望しました。
【参考資料】
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