動物愛護について(一般質問より)
動物愛護推進員への支援について
現在、千葉県では知事の委嘱を受けた「動物愛護推進員」の方々が、地域における犬猫の適正飼養の助言や、譲渡の仲介など、行政と県民の架け橋として日々尽力されています。
先日、県内で活動する動物愛護推進員の方々からお話を伺う機会がありました。
ペットは家族の一員としての認識が定着する一方、多頭飼育崩壊や独居高齢者の飼育困難など、事案は複雑化・深刻化しており、こうした現場の最前線で活動する推進員の役割は、ますます重要になっています。
推進員はボランティアとしての位置づけですが、活動に伴う遠方への交通費、保護した動物のためのペットシーツやエサ代などの消耗品費、さらには関係者との連絡調整にかかる通信費など、その多くが個人の持ち出しとなっています。
行政の補完的な役割を担っているにもかかわらず、個人の善意に費用負担まで依存する現状は、活動の継続性を危うくするものであり、改善が必要と考えます。そこで伺います。
県では動物愛護推進員に対し、どのような活動支援を行っているのか?
動物愛護推進員は、動物の愛護と適正な飼養に関する普及啓発に加え、住民からの相談に対して、不妊去勢手術についての助言や飼育困難となった動物の譲渡先のあっせんを行うほか、飼い主のいない猫対策などを推進しており、地域の身近なボランティアとして重要な役割を担っています。
令和8年1月31日現在、71名の推進員が活動しており、県では推進員が安心して活動できるよう、ボランティア活動保険への加入費用等を負担するほか、推進員からの要望を受け、地域猫活動の実践に参考となるポイントをまとめた手引を作成するなどの支援を行っています。
今後も、動物への理解と知識の普及に向けて、推進員が地域で中心的な役割を果たすことができるよう支援に取り組んでまいります。(保健医療担当部長)
福祉との連携について
多頭飼育崩壊の現場では、飼い主自身が生活保護受給者であったり、高齢や障害により生活支援が必要であったりと、動物の問題の背景に深刻な「人の福祉的課題」が潜んでいるケースが少なくありません。
こうした現場において、推進員が単独で問題を解決することは困難であり、民生委員や福祉部局、社会福祉協議会などとの密な連携が不可欠です。
しかし、現状では動物愛護行政と福祉行政の「縦割り」の弊害により、スムーズな支援に繋がらない事例も見受けられます。推進員が、飼い主の生活背景に気づき、適切な福祉支援につなげるためには、福祉関係者との顔の見える関係づくりや、福祉的な視点を学ぶ機会が必要です。そこで伺います。
県として、動物愛護推進員と地域の福祉関係者が情報共有や連携できる仕組みづくりを行うべきと考えるがどうか?
多頭飼育問題等の動物の飼育に関する問題においては、飼い主の生活困窮や社会的孤立等が背景となっている場合があり、その解決には福祉的な支援が重要と考えています。
そこで県では、福祉部門と動物愛護部門との連携強化に向け、今月8日に動物愛護推進員の研鑽の場でもある動物愛護セミナーにおいて、「人の福祉と動物愛護について考える」をテーマに多頭飼育問題における多機関連携についての講演や事例紹介などを行ったところです。
今後は、両部門の担当者を対象とした研修会を新たに企画し、福祉的支援が必要な飼い主の動物に関する問題について、事例検討や意見交換を行うことなどにより、双方の連携体制のさらなる強化に向けて取り組んでまいります。(知事)
適正飼養の普及啓発について
殺処分ゼロを目指す上で、保護・譲渡活動がいわゆる「出口対策」であるならば、適正飼養の普及は、不幸な命を生み出さないための「入口対策」であり、最も根幹となる取り組みです。県内でも、不妊去勢手術の未実施による多頭飼育崩壊や、飼い主の高齢化や入院に伴う飼育放棄など、飼い主側の知識不足や準備不足に起因する問題が後を絶ちません。
現在、動物愛護推進員の方々が地域で啓発を行っていただいていますが、県全体としてより効果的な広報が必要です。
とくに重要と考えるのが、「これから飼おうとする人への事前教育」と、「子供たちへのいのちの教育」、そして「高齢者への啓発」です。
例えば、高齢の方が新たに子犬や子猫を飼う場合、ご自身の健康寿命とペットの寿命を考慮する必要がありますが、そうしたリスクを認識せずに飼い始め、結果的にペットが行き場を失うケースが見受けられます。
また、次代を担う子供たちへの動物愛護教育は、将来的な適正飼養の土壌を作る上で、欠かすことができません。そこで伺います。
県民一人ひとりが「終生飼養」や「不妊去勢手術」の重要性を正しく理解するために、県は今後どのように普及啓発に取り組んでいくのか?
ペットを大切な家族の一員としてとらえる方が増えている一方で、動物に関する十分な知識がないまま、安易な気持ちで飼育している飼い主が存在し、その結果、動物の多頭飼育問題や飼育放棄、近隣トラブルなどの問題が発生しています。
そこで、県では、動物を最期まで飼い続けることや、みだりに繁殖を行わないことなどの飼い主責任について、チーバくんを用いた啓発資材等も活用し、子どもから高齢者まで幅広い世代に向けて普及啓発を行っているところです。
今後も、「県民の日」の行事や地域の防災訓練など、様々な機会を積極的に活用し、飼い主責任に対する県民の意識を高めることにより、 人と動物の共生する社会の実現を目指してまいります。(保健医療担当部長)
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動物愛護推進員は、本県の動物愛護行政にとって「車の両輪」とも言える重要なパートナーです。彼らが疲弊し、活動を離れてしまえば、そのしわ寄せは、最終的に行政や地域住民へ及びます。
他県や一部の自治体では、推進員の活動に伴う交通費の助成を行っている事例もあります。本県としても、推進員が経済的な負担を感じることなく、その専門性や熱意を十分に発揮できるよう、活動実費に対する助成について、検討いただくよう要望しました。
また、今後、福祉部門と動物愛護部門の担当者を対象とした研修会を企画するとのことでした。まずは担当者レベルからとは思いますが、今後さらに、動物愛護推進員を対象とした福祉制度に関する研修や、福祉関係者を交えた勉強会などを開催していただくよう要望しました。
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