日本海総合病院視察
千葉県議会健康福祉常任委員会の県外調査で、山形県酒田市にある日本海総合病院にお伺いしました。
山形県の2次医療圏は4医療圏に分かれており、そのうち酒田市を含む2市3町からなる庄内医療圏の人口は約26.3万人(2020年国勢調査)ですが、30年後の2050年には16万人(2020年比61%)まで減少すると推計されています。
また、10年後には地域の診療所の約半数がなくなるとも予想されており、今後加速していく過疎化、高齢化、少子化に対応していくためにも、地域の医療・介護提供体制の維持確保をはかるため、各機関の連携強化を進めていく必要がありました。
これらの課題に対応するため、医療法人、社会福祉法人、歯科医師会、薬剤師会、行政機関など、庄内地域の13法人が参画し、地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」を設立。参画する法人間での病床調整や医療従事者の再配置、薬剤共同購入による医療・介護の合理化をはかっています。
また、医療情報の共有を行うための医療情報連携システムを構築し、患者の同意を得たうえで、医療従事者や介護従事者に電子カルテや調剤情報の開示を行い、医療・介護の生産性向上につとめています。
今年度、酒田市では病院や介護事業所の146施設にDXを活用した情報共有を行い、ICTを活用した医療・介護連携を進めることにより、地域包括ケアシステムを推進しています。
本県においても、各地で地域医療連携推進法人の設立が検討されている中、人口減少が進む地域の参考となる先進的な取り組みを教えていただきました。
また、日本海総合病院では軽キャンピングカーを活用した医療MaaSにも取り組んでいます。
車両には通信業務を行う事務員と看護師が乗車し、酒田市内の中山間地域に住む高齢者等の元へ伺い、オンラインにより医療機関の医師とつなぎます。
導入にあたっては、様々な車両を検討したようですが、中山間地域を縦横無尽に走るには、軽の4WD車両が適しており、社内で大人一人が横になれるため、軽キャンパー車両に決めたそうです。
車両価格は500万、年間の維持費は50万円程度とのこと。
先日の豪雨災害時にも活用しており、平時だけでなく災害時の備えのためにも、医療MaaSの導入は必要であると実感しました。
さらに日本海総合病院では、通院の足を確保するため、酒田駅と病院、またその間にある商業施設を無料巡回バスで結ぶことも検討しているようです。
なお、医療MaaSの導入については、令和5年9月議会で取り上げました。詳しくは参考資料のリンク先をご覧ください。
【参考資料】
0コメント