県立高校におけるICT端末の活用について(代表質問より)
わが会派では、令和3年2月定例会で、県立高校における学習端末の導入において、一人1台端末の環境を整えるべきとの訴えに対し、教育長より、生徒に貸与するタブレット端末を約1万1,000台整備するとともに、本県においても早期に環境を整えられるよう検討するとの答弁がありました。
これを受け、本県においては、個人が所有する端末を持ち込むBYOD方式とともに、県が整備する端末も併用し、一人1台端末の環境でICTを活用した教育が推進されています。
一方、令和4年1月に発表された文部科学大臣とデジタル大臣共同のメッセージでは、個人のスマートフォンを生徒用端末として利用することについて、高校生に必要とされる資質・能力を身に付けるには不十分とし、タブレット等の活用を通知しています。
現在本県では、国が示すGIGAスクール標準スペック及び各学校推奨端末の準備を保護者に求めていますが、推奨端末は7万円~十数万円程度と高額になるほか、加えて電子辞書の購入も促されているところもあり、教材費の負担が重いとの声が挙がっています。
保護者から負担であるとの声があるが、県としての認識はどうか。また、ICT端末確保の現状と課題、今後の取り組みはどうか?
県立高校へ入学する際に学習用端末を購入いただくことについて、様々な御意見があることは承知しており、県教育委員会では、購入が困難な家庭に向けた貸し出し用端末の整備や、奨学のための給付金制度の周知などを行ってきました。
令和5年度の調査では、県立高校のうち半数以上の学校でほとんどの入学生が端末を購入していますが、依然として学校ごとに購入状況に差があるのが現状です。
今後は、各自の習熟度に応じた個別学習など端末の効果的な活用方法に加え、使い慣れた端末で家庭でも途切れなく学習できることや、デジタル教材導入により従来の副教材の購入費を低減できることなど自己所有の端末活用の利点を生徒や保護者に積極的に周知し、理解を深めてまいります。
校内Wi-Fi整備について
県教育委員会では、令和4年4月に策定したガイドラインに「GIGA スクール構想」の理念を踏まえ、県立学校においては一人1台端末環境で、ICTを活用した教育を推進するための環境整備として、安全かつ高速にインターネットに接続できる新たな学習系ネットワークを追加整備することが謳われています。
しかしながら、学校では通信速度が遅いとか、繋がらないといった遅延や接続障害の改善を求める声が、県内各地から届いています。今やどの職場でも快適なネットワークの整備は当たり前であり、観光促進としてWi-Fiの整備も進めている中、学校においても教育活動に支障がないよう、ネットワークの増強は必要かつ急ぐべきだと考えることから、整備状況について伺いました。
校内Wi-Fiの整備状況や実際の接続・利用状況はどうか。また、今後の取り組みはどうか?
これまで県教育委員会では、県立高校のすべての普通教室と約4割の特別教室に無線LANのアクセスポイントを整備しており、多くの学校で一人一台端末を利用した個別最適な学びや協働的な学びが行われています。
一方で、特別教室への更なる整備を求める声や、校内ネットワークの通信状況に不具合の生じる学校もあるなど、課題についても承知しております。
今後、校内ネットワーク設備について、機器の性能や設定、配置に問題がないか専門業者による調査を実施して改善点を探るなど、学校の様々な場所や、より多くの授業で校内Wi-Fiが安定して利用できるよう取り組んでまいります。
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国からは、一人1台端末の環境整備に必要な経費の3分の1を地方財政措置で支援しており、保護者負担を軽減できるよう新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が活用できます。
本県と同様、BYOD方式で整備を進める群馬県では、保護者の負担軽減をはかるため、端末購入時の支援金を給付しています。本県の端末整備については十分な検証を行い、保護者負担の軽減が図られるよう強く要望しました。
また、校内のネットワーク環境整備においては、利用状況を調査し、必要な増強整備を急ぎ行うよう要望しました。
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