動物愛護について(代表質問より)
殺処分ゼロをめざし、日々、TNR活動や保護猫活動、多頭飼育崩壊への介入等の活動を行うボランティア団体の方にお話を伺いました。その団体では、毎月2回、20匹程度の保護猫の譲渡を行っており、設立以来の5年間で約4,000匹の不妊・去勢手術を行い、1,500匹を譲渡につなげてきたそうです。
譲渡会にもお邪魔しましたが、保護猫をすぐに連れて帰れるのではなく、飼う上での様々な条件を確認したあと、まずは自宅に猫の脱走防止策を講じてもらい、その後、1週間のお試し期間を経て、譲渡してもよいと判断されたら、初めて迎えることができるようになっていました。
令和4年度における本県の猫の収容数は1,194頭で、譲渡数が824頭、そのうちボランティア団体への譲渡数は801頭でした。県における猫の収容数は、年々減少し、10年前からは半減していますが、実際は多くのボランティアの方々の協力の下で成り立っています。経済的な負担も多く、持続可能となるしくみづくりが求められることから、県の見解を伺いました。
県は犬および猫の収容を減らしていくために、どのように取り組んでいくのか?
多くの県民が、家族の一員や人生のパートナーとして動物と暮らす一方、十分な知識がないまま安易に動物を飼い始め、結果として、不適切な飼い方や飼育放棄につながり、県に収容される例が依然として多く認められます。
このため県では、動物を最期まで飼い続けることやみだりに繁殖を行わないことなどの飼い主責任の徹底について、テレビやラジオ、県民だより等で広報するほか、小中学生を対象とした動物愛護教室の開催や、高齢者向けパンフレットの作成・配布など、幅広い世代に向けて啓発してきたところです。
さらに今年度は、新たにチーバくんを活用した動物愛護のロゴマークを作成するとともに、動物の命の大切さなど15のテーマ別に制作したアニメーション動画の配信を開始したところであり、これらを活用し、より多くの県民に対し啓発を図ってまいります。
ボランティア団体からは財政支援を望む声があるが、県としての対応はどうか?
動物愛護センターに収容される動物の殺処分を減らすため、ボランティア団体等への譲渡を促進しているところですが、これまで、譲渡前には、健康診断やケガ・病気の治療を十分に行うことができず、犬猫を迎え入れる団体等が、譲渡後に実施する例が見受けられたところです。
そこで今年度から、犬猫を迎え入れる団体等の負担軽減を図るため、収容動物の診療や治療の一部を千葉県獣医師会に委託し、譲渡前の犬猫の健康管理や治療体制を充実させることとしています。
また、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術等を行う団体等を支援する市町村への補助事業について、今年度から要件を緩和し活用しやすくすることで、ボランティア団体等の負担軽減を図ってまいります。
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ボランティア団体の方からは、行政による予算面でのサポート、高齢者の方の施設入居に伴う保護猫の対応、保護シェルターの設置を望む声があります。
殺処分ゼロへの賛同は多い一方、動物愛護活動への予算確保には様々な意見があります。
そのため、例えば、神奈川県や群馬県、福島県では、ふるさと納税制度を利用して寄付金を募り、犬猫の譲渡事業や適正飼養の推進に活用しています。
本県においても、ふるさと納税を利用した予算の確保について、検討いただくよう要望しました。
【参考資料】
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