避難所となる公立学校体育館へのエアコン設置について(代表質問より)
広域的な災害が発生した際、避難所として重要な役割を果たすのが、地域住民に最も身近な学校です。文部科学省がまとめた「東日本大震災における学校の対応等に関する調査報告書」によると、避難所として利用された施設で一番多かったのが体育館で70.1%、2位で34.9%の普通教室とは大きな隔たりがあります。
一方、避難所で問題となった施設・設備については、1位がトイレで74.7%、2位は暖房設備70.3%、3位が給水・上水設備66.7%の結果となりました。東日本大震災が発生したのは3月なので暖房設備となっていますが、季節が変われば冷房設備と置き換えられます。
令和5年7月12日付け教育長あて文部科学省通知である「避難所となる学校施設の防災機能強化の推進について」には、近年の気候変動の影響による平均気温上昇を踏まえた熱中症対策の観点から、災害時に主な避難先となる体育館への冷房機器の設置を推進していく必要があるとしています。
過日行われた衆院予算委員会において、公明党の高木陽介政調会長が、避難所となる体育館の空調設置の重要性を訴えたところ、岸田首相からは、「公立小中学校などの体育館への空調設備の新設については、今年度から2025年度までの間、国庫補助の割合を引き上げて自治体の取り組みを後押しする。必要な予算措置も進め、自治体による設置が速やかに進むよう支援する」との答弁がありました。
高温多湿の環境下で長時間過ごすことは、熱中症やその他の健康上の問題を引き起こす可能性があります。令和元年台風15号では停電による熱中症により災害関連死が発生いたしました。
今回の能登地震では、避難先の体制整備は整いながらも、様々な理由から二次避難が思うように進んでいないといった課題も挙げられます。長引く避難所生活において、快適な環境を提供し、避難者のストレスを軽減するためにも、体育館におけるエアコンの設置が求められることから、県の取り組みについて伺いました。
県教育委員会は、避難所となる公立学校施設の防災機能の強化、特にエアコンの設置について、防災担当部局と連携してどのように対応しているのか?
県教育委員会では、国の通知を踏まえ、市町村担当者説明会において、時限的に補助率が引き上げられた国庫補助や充当率が高い起債の活用を周知するなど、公立小中学校の体育館へのエアコン設置を促しています。
また、市町村の避難環境の強靭化などの取組を支援するため、県の防災危機管理部では、今年度から千葉県地域防災力充実・強化補助金を拡充しています。本補助金は避難所となる公立学校施設へのエアコン設置にも活用できるため 、県教育委員会としては、防災危機管理部と連携しながら市町村への周知に努めてまいります。
さらに、国の交付金については、体育館へのエアコン設置に活用する場合に、断熱性の確保などの厳しい要件があることから、国に対し、補助要件の緩和や更なる補助率の引き上げを要望するとともに、避難所となる県立高校の体育館も補助対象とするよう要望してまいります。
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