子どもの学習・生活支援事業について(代表質問より)
保護者の経済状況や婚姻状況によって、子どもは学習・生活・心理面など、広い範囲で深刻な影響を受けていることが、内閣府が行った全国調査で明らかになりました。
経済的に貧困にある家庭では、暮らしが安定している家庭と比較すると、クラスでの成績が「下の方」または「やや下の方」の合計が2.0倍となり、授業が「ほとんど分からない」または「わからないことが多い」の合計が3.3倍となりました。
また、保護者の貧困は、現在の成績や勉強の理解度だけでなく、進学にも影響を与えており、大学以上の進学を希望する割合は、4割近くまで減少しました。
豊かな家庭で育った子はますます豊かになり、貧しい家庭で育った子はますます貧しくなる。子どもは、生まれてくる環境は選べません。貧困の連鎖を断ち切ることが求められます。
平成27年に施行された「生活困窮者自立支援法」に基づき、各自治体において、生活保護世帯や生活困窮状態にある世帯の児童・生徒に対して、学習支援や生活習慣の改善をめざした支援を行うようになりました。そこで、その取り組み状況と成果を伺いました。
子どもの学習・生活支援事業での取り組み状況はどうか?また、どのような成果があったのか?
本事業は、生活困窮世帯の子どもに対し、学習に関する支援・相談や、生活習慣や育成環境の改善に関する助言等を行う事業で、県内では42市町村で実施されているところです。
このうち、県では、郡部の全17町村において事業を実施しており、概ね小学4年生から中学3年生を対象とする学習教室を開催するとともに、挨拶・整理整頓の指導等や家庭訪問等により保護者に対して養育や進学に関する相談・助言を行うなど、生活支援を行っています。
令和3年度は17町村で184人の参加があり、アンケートに回答した中学3年生のうち95.1%が「受験に役に立った」と回答していることから、一定の成果があったと考えており、利用者の要望も踏まえながら、引き続き支援を行ってまいります。
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子どもの学習・生活支援事業については、多くの自治体で実施されている一方で、未だ実施されていない自治体が、県内で12市あるということでした。貧困の連鎖を断ち切るためにも、子どもの学習・生活支援制度が、県内全ての市町村で実施されるよう、力強く推進していただきますよう要望しました。
また、先日、実際に子どもの学習・生活支援事業を行っている社会福祉法人の方にお話を伺う機会がありました。生活困窮世帯の中学生に勉強を教え、いざ高校進学の段階になると、制服や教材などを準備することができないため、進学を断念する家庭もあるようです。
千葉県では、授業料以外の教育費負担を軽減するため、公立高等学校等奨学のための給付金を用意しています。しかし、その申請時期が通常は7月、一部早期給付を活用したとしても、その申請時期は6月となっており、入学時には間に合いません。
この給付金の目的である「全ての意志ある生徒が、安心して教育を受けられるため」にも、入学前の給付を検討するよう要望しました。
【参考資料】
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