新型コロナウイルス感染症への対応について(予算委員会質疑より)

発熱外来について

感染者の増加に伴い、発熱外来に電話をしてもつながらないとの苦情や相談をいただくことがあります。

あるご相談者のお話によると、発熱した際、ご相談者の通う医療機関ではPCR検査ができないため、発熱外来を紹介していただいたそうです。

発熱外来のリストを見て、ご自身が通う病院と同じ科があり、かつ、かかりつけ以外の患者でも診療対応可としてある病院に予約を取ろうと電話をしましたが、「当病院では対応できない」と、理由を告げられることなく断られてしまいました。

その後、リストにある他の病院に連絡をするものの、全くつながらなかったそうで、どこにも診てもらえずに非常に困ったとのことでした。

当時は、感染が急拡大していた時であり、どのような理由で断られたのかは、定かではありません。しかし、いずれにせよ、病院の手が回らないことにより、発熱患者が路頭に迷うことは、避けなければならないことから、発熱外来についての現状と課題について質問しました。

発熱外来についての現状と課題は何か?

発熱患者等に対応する医療機関は1,314あり、そのうち発熱外来の指定を受けた医療機関は830あります。発熱外来のうち、公表を承諾いただいた医療機関は572となっています。

課題として、発熱患者等に対応していても指定を受けていない医療機関や、指定を受けていても発熱外来であることを公表していない医療機関があり、患者が必ずしも身近な発熱外来を受診できないという状況があると認識しています。

発熱外来の課題に対し、今後どのように取り組んでいくのか?

県では、発熱外来の指定医療機関を増やすため、昨年12月に地域の診療所などを対象として、感染管理などの研修を実施いたしました。

また、研修内容を医療機関向けに動画配信し、引き続き、感染管理に関する医療機関の不安の払しょくに努めるとともに、発熱外来であることの公表により診療報酬が引き上げられることを改めて周知するなど、公表医療機関の更なる拡充を図ってまいります。



 現在、国内で感染の主流である従来型のオミクロン株より、さらに感染力が高いステルスオミクロン株への置き換わりも懸念されており、次にいつ第7波が発生するかわかりません。感染の急拡大時には、できる限り発熱患者に対応していただける医療機関が増えることが望まれます。そこで、発熱外来に対する今後の取り組みについて伺うとともに、診療・検査医療体制の更なる拡充を図っていただくよう、要望しました。



 PCR検査等の無料化について

本県では、感染症の拡大防止と経済活動の両立を図るため、無料でPCR検査や抗原定性検査を行っています。

12月24日より、健康上の理由でワクチンを接種できない等の無症状者の方を対象に、ワクチン接種や陰性の検査結果を求めるイベント等を利用する際に必要となる検査を無料で行う「ワクチン検査パッケージ・対象者全員検査等定着促進事業」がスタート。次いで12月28日より、感染拡大の傾向が見られる際に、感染の不安を感じる無症状の県民の方に対して、無料で検査を行う「感染拡大傾向時の一般検査事業」も加わりました。

これらの検査は、県内にある337店の薬局などで実施されていますが、年明けからの感染拡大とともに検査希望者が殺到し、無料検査を受けたくても受けられないという状況が発生しました。

私も実情はどうなっているのかと思い、何軒かの薬局に行ってお話を伺ってきました。通常業務に加えての対応のため、一日に二人までしか予約を受けつけられなかったり、一人の検査が終わるたびにアルコール消毒をしないといけないため、1時間に一人しか検査ができなかったりと、一日に何人も対応することはできないようでした。

現在、第6波のピークも過ぎ、新規感染者数も減少傾向を示しています。今後は、医療機関での検査から、社会経済活動を回すための無料検査への需要へとシフトしていくことも予想されることから、PCR無料検査等の現状と今後について質問しました。

PCR無料検査等の実施状況はどうか?

検査実施数は、令和3年12月24日から本年2月20日までに、PCR検査は約7万3,000件、抗原定性検査は約2万7,000件、合計約10万件であり、そのうち約5,000件で検査結果が陽性と判明しています。

PCR無料検査等を、今後どのように活用していくのか?

引き続き、感染拡大傾向がみられる際に、感染不安を感じる無症状の方に対する検査に活用してまいります。



感染拡大の傾向がみられるときには、当然ながら無料検査を希望する方も増え、薬局の店舗では対応しきれないことも予想されます。そのため、たとえば臨時のワクチン接種会場のように、臨時の無料検査会場を設けるなど、多くの方が検査できる体制の検討も要望いたしました。



IMABISについて

保健所の聞き取り調査を円滑に実施するため、医療機関で検査を受けた方が、検査結果が判明する前に、基礎疾患や緊急連絡先を登録しておく「新型コロナウイルス感染(疑い)者事前登録システムIMABIS」の運用が、昨年11月より開始されました。

新規感染者の増加に伴う保健所業務のひっ迫を避けるとともに、陽性と判定された場合にも、あらかじめ登録しておいたデータを基にした的確な対応が行えることから、その活用が期待されております。イマビスの活用状況とその効果について伺いました。

イマビスはどのように活用され、どのような効果があがっているのか?

感染者等に御自身で電話番号や基礎疾患等の情報をイマビスに入力していただくことで、保健所は、感染者等への連絡を円滑に行うことができています。

令和3年11月5日から本年3月3日までに延べ4万9,000人の方に入力していただき、感染者等への連絡にかかる時間が短縮されるなど保健所の業務負担の軽減につながり、重症化リスクの高い方の健康観察等に注力できています。 



陽性判定された方の所には、保健所から療養期間の案内や健康観察のための連絡がいきますが、その案内の仕方にはバラツキがあるようです。一人でも多くの方にイマビス入力の協力をいただき、保健所業務の軽減につながるよう、そしてその分、陽性者には丁寧な案内をしていただくよう要望いたしました。


【参考資料】

熱がある時は

発熱外来指定医療機関リスト

千葉県新型コロナウイルス感染症に係るPCR等検査無料化事業

検査事業者登録店一覧

新型コロナウイルス感染症の検査を受検された方へ

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