行政手続きのデジタル化について(代表質問より)

団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年に向かい、人口減少や高齢化などによる人口構造の変化をはじめ、生産年齢人口の減少による労働力の制約や、社会全体のデジタル化の加速などが想定されています。

そのような中においても、自治体が持続可能な形で行政サービスを提供し続けるために、AI(人工知能)などを活用して、事務処理の自動化や業務の標準化を行い、行政サービスなどを効率的に提供するスマート自治体への転換が求められています。

行政手続きをデジタル化することにより、わざわざ窓口へ行く必要がなくなるだけでなく、24時間365日、オンラインでの手続きも行うことができるようになり、より便利な行政サービスを県民に届けることが可能となります。コロナ禍である現在、また今後も予想される感染症流行の可能性も見据えると、行政手続きのデジタル化は急務ではないでしょうか。

また、行政手続きのデジタル化により、オンライン手続きなどの利便性を向上させるためには、手数料や使用料のオンライン決済化やキャッシュレス化が欠かせません。

現在、パスポートの発給手数料などで収入証紙が使われていますが、収入証紙は販売場所が限られており、買いに行く手間がかかることや、購入できる時間が限定されることなどから、収入証紙制度の見直しを求める声もあがっています。

これまでも、東京都や広島県等でも収入証紙の廃止が行われてきましたが、鳥取県においても廃止が決定したようです。収入証紙制度の見直しにあたり、アンケート等を実施したところ、「証紙を廃止し別の方法を検討した方がよい」が74.3%、「今までどおり証紙で支払う方法がよい」が5.8%と、証紙の廃止を望む声が大きく上回り、収入証紙制度の廃止につながりました。

収入証紙を廃止することにより、証紙を購入して貼付する手間や申請手続きの煩雑さを省くことができるだけでなく、証紙の保管や管理の業務を削減できるなど、行政事務の効率化にもつながるため、本県においても収入証紙の廃止に向けて、検討するべきでないでしょうか。 

そこで、県の行政手続きにおけるデジタル化の現状と今後の取り組みをはじめ、オンライン手続きなどの利便性を向上に向けて、質問をしました。


行政手続きにおけるデジタル化の現状と今後はどのように取り組むのか?

今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、行政手続における書面、押印、対面など が、円滑な社会・経済活動の障害となっていることが表面化し、行政のデジタル化の遅れが大きな課題として認識されたところです。

このため、本県においても、押印等の見直しに取り組んでおり、昨年実施した実態調査では、県民等からの手続の様式数が約1万2千件あり、その約8割は、押印又は署名を求めている状況でした。

今後、国における押印等の見直しやオンラ イン化の動向を踏まえ、本人確認手段を適切に確保しながら、デジタル化手法やスケジュールを検討し、行政手続のオンライン化を推進してまいります。


収入証紙を伴う手続きはどのようなものがあり、収入証紙の売りさばき手数料や証紙印刷代はいくらか?

県に対する申請手続きに係る手数料等のうち、876項目について、収入証紙による納入を定めており、収納額の大きなものとして、自動車運転免許更新申請のほか、自動車保管場所証明申請、道路使用許可申請、建設業許可申請などがあります。

また、令和元年度における、収入証紙の販売を委託した者に対する売りさばき手数料は約2億3千万円、印刷費用は約1,800万円となっています。

県民サービスの向上、行政事務の効率化、そして行政コストの縮減につながる収入証紙の廃止です。いきなりすべてを廃止するのが難しいのであれば、段階的に進めていくのもよいと思います。

また、今現在、世の中の流れはキャッシュレス化です。証紙廃止に伴い、今後の使用料や手数料の支払いには、現金だけでなく、電子マネーやクレジットカードによる支払いが可能となるよう、証紙制度の見直しと併せてキャッシュレス化についても検討いただくよう要望いたしました。 

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